前々回、前回に続き、ダライ・ラマ法王の法話による「37の菩薩の実践」です。
佳境に入ってまいりました。超厳しくなってきます！！
ここからは、六波羅蜜と呼ばれている修行の実践に関連した内容です。
六波羅蜜とは〜
https://kotobank.jp/word/六波羅蜜-152680
大乗仏教の求道者が実践すべき6種の完全な徳目のこと。
波羅蜜とはサンスクリット語のパーラミター pāramitāの音写。6種とは，
(1) 施しという完全な徳 (布施波羅蜜) ，
(2) 戒律を守るという完全な徳 (持戒波羅蜜) ，
(3) 忍耐という完全な徳 (忍辱波羅蜜) ，
(4) 努力を行うという完全な徳 (精進波羅蜜) ，
(5) 精神統一という完全な徳 (禅定波羅蜜) ，
(6) 仏教の究極目的である悟りの智慧という完全な徳 (般若波羅蜜) である。
これらのなかで最後のものは，前の5者のよりどころとなるものである。
12. 誰かが強欲に支配されて私のすべての財産を奪い、
あるいは、他者に奪わせたとしても、身体、財産、三世の
善の集積をその人のために廻向すること。
それが菩薩の実践である
全てを奪った他者に、三生かかって貯めた善を与えなさいと書いてあります。
法王の話によると、この世の中に存在している全ての物と現象は、ただ名前を
付けられたに過ぎず、実体のないものだそうです。
輪廻の中にある全てのものには実体がないもの。だから財産とてないと同じこと。
これが、空の理解だそうです。
解脱するには、慈悲心とこの空の理解が必要とおっしゃっていました。
13. 私には僅かな過失さえないにもかかわらず、誰かが私を
斬首刑に陥れたとしても、慈悲の心でその人のすべての罪を
私が引き受けること。それが菩薩の実践である
仕返しをするのではなく、慈悲の心でその人の罪を引き受ける。
自分の幸せを相手に与えるのだと、法王はおっしゃっていました。
これは、キリストの磔刑と同じような状況での実践でしょう。
14. 誰かが私に様々な不愉快なことを言い、三千大千世界に
行き渡るほど広めたとしても、慈悲の心で何度もその人の功徳を
述べること。それが菩薩の実践である
15. 群衆の真中で、誰かが悪意から私を誹謗し、罵声を浴びせても、
その人は善友(師)であるという認識を持って敬意を払うこと。
それが菩薩の実践である
16. 我が子のように大切に面倒を見た者が、私を敵のように
見なしたとしても、病気の我が子に対する母のように、
特に深い愛情を注ぐこと。それが菩薩の実践である
17. 自分と同等かあるいは劣った者が、傲慢にも私を軽蔑し、
貶めたとしても、その人をラマのように尊敬し、自らの頭頂に
戴くこと。それが菩薩の実践である
ラマとは、チベット仏教の僧侶のことです。
ここでは、チベット仏教での師を表しています。
18. 生活に困窮し、常に人から軽蔑され、ひどい病気や悪霊に
取り憑かれても、一切有情の罪と苦しみを自分が引き受けて、
決して落胆しないこと。それが菩薩の実践である
人生でこのような体験にあった時、ひどい場合には命の危険があります。
だからこそ、どんな状況をも引き受けると言うこの修行が、とても役に立つのだと
法王はおっしゃっていました。
「決して落胆しないこと」と言う言葉が響きます。
秘教でも、似たような文言がありました。
心身や人生において不都合や不条理があったとしても、それをただ受け取り前に進むこと。
苦しんでいることに苦しむ必要はなく、蒔いたタネを刈り取るしかないと
言うような事が書かれてありました。
法王は亡命されて50年以上だそうです。
これら菩薩の実践を人生を通してされていると実感できるのは、
私だけではないと思います。
それにしても、厳しいですね。
書いていて、ちょっとハートが苦しくなりました 笑
多かれ少なかれ、こういった体験を人生で多少はしている方が殆どだと思います。
菩薩の実践が出来た、出来なかったかは別として。
努力することが大切だと六波羅蜜にも書かれていますので、
まだまだ道途中の自分への慈悲心を持ちながら、進んでいきたいと思います。
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