37の菩薩の実践II「欲から離れ、浄化する」

前回に続き、ダライ・ラマ法王の法話による「37の菩薩の実践」です。

7. 自分も輪廻の牢獄に捕らわれているような世俗の神に、
いったい誰を救うことができるのか 。
それゆえ、帰依すれば欺くことのない、三宝(仏・法・僧)に
帰依をする。それが菩薩の実践である

帰依の対象は、仏=釈尊、法=仏法・教え、僧=出家者達(修行を支えてくれる人々)である、と書かれています。

世俗にいる人に、帰依してはいけない。
なぜなら、世俗にいる人は私たちと同じように輪廻の中にある為、
裏切りの可能性があるからです。
だから、釈尊(ブッダ)の後に続いて、究極的な幸せに近づいていく努力をして行きましょうと法王はおっしゃっていました。

今の世界では「僧」についても、ちゃんと識別していかなければならないと私は思います。
失礼ながら、僧の方でも天から地までの差がありますから(実体験です)

8.「甚だ耐え難い悪趣の苦しみは 罪ある行いの結果である」と
牟尼は説かれた。 それゆえ、たとえ命を落とそうとも
罪ある行いを決してなさないこと。それが菩薩の実践である

命を落とそうとも、十悪を慎むこと。

十悪とは
殺生偸盗(ちゅうとう)邪淫妄語綺語(きご)悪口(あっく)両舌貪欲(とんよく)瞋恚(しんい)邪見のこと

https://kotobank.jp/word/十悪-526226

不徳の行いを慎む。
まずは荒いレベルの自我を滅し、そして全ての間違った見解を滅する。

これらを知るものは賢者であると法王はお話しされていました。

カルマをこれ以上増やさないようにという、親心を感じます。
十悪をしてしまうと、それはまた悪いカルマとして加算されることを
忘れている方が多いのではないでしょうか・・・

9. 三界(欲界・色界・無色界)の幸せは 草葉の露のごとく
瞬時に消え去るものである。
決して変わることのない最勝なる解脱の境地を求めること。
それが菩薩の実践である

三界とは
欲界 よっかい 物質欲の世界
色界 しきかい 形質だけの世界(物質的な束縛はまだ残っている)
無色界 むしきかい 心だけが生きている世界

http://tobifudo.jp/newmon/butugu/sangai.htmlやさしい仏教入門 

これらは無くすべき三界で、その先の解脱の境地を求めましょうと、
そして下記の修養を積みなさいと、法王はお話しされていました。

四聖諦 仏教が説く4種の基本的な真理

四念処 悟りのための4種の観想法

四正断 4つの正しい取捨

身体、感覚、心、その他の事象について熟考し、考察し、すでに行った悪い行為を浄化し、解脱を目指すこと。

三界は、秘教的に言うとアストラル界のことだと思われます。
確かにアストラル界の浄化は、今の世界の私たちに必要な学びです。
浄化されていないと、幻想に惑わされ、苦しみ続けると言われています。

チベット仏教の若い僧向けの法話だった為、専門的な仏教用語が続きますが、
今、心の平安と目覚めに向かっている万人に必要な教えだと思います。

10. 無始の時より私を愛してくれた母たちが苦しんでいるならば、
自分の幸せ〔だけ〕を得たところでいったい何になろうか。
それゆえ、限りない有情を〔苦しみから〕解放するために、
菩提心を起こすこと。それが菩提の実践である

有情とは、心の働きをもつ全ての存在のこと。

苦しみの原因は、「無知」です。

自分の幸せだけを得たところで何になろうか。
なぜならば、一時的な三界の幸せには実態がないからである。
実態性に囚われることを滅していくこと。

また、他の人の幸せや苦しみを全く考慮しないのはいけないことである。

限りない有情達の幸せを何とかして与えてあげたいというような、
良き心を起こすことが非常に大切。

他の人が抱えている苦しみを自分が抱えているように思い、それを何とかして
助けたいという利他の思いを起こすことが大切。
それを妨げているのが、怒りや執着の心。

全ての人たちに必要とされているのは、この世にある全ての宗教に共通のことであるが、他の人たちに対する愛と慈悲。すなわち優しさと思いやり。

愛と慈悲が自分の中の平安を高める。
毎日少しずつでも構わないので、困っている人々に救いの手を差し伸べる。
できる範囲内でできることをしていくことで、慈悲の心を高めていくことができる。

以上は、法王が熱く語っていらしたことです。

11. すべての苦しみは自分の幸せを求めることから生じ、
無上正等覚者(完全なる仏陀)は利他の思いから生じる。
それゆえ、自分の幸せと他者の苦しみを完全に入れ替えること。
それが菩薩の実践である

自分と他者を完全に入れ替えて考えなさい。

一切智の状況になって始めて、全ての生きるものの苦しみを解放できるのです。

(一切智とは、一切のものについて完全に知る智慧。仏智=真髄なる教え)

自分が一切有情が必要とするものになり、全ての人が自分を用いることができますように。

自分自身の講座の報告や告知などもあるのですが、
今の時期、これらをお伝えすることが大切なようなので、
しばらくそうさせていただくことになりそうです。


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