菩薩道について調べていたら、ダライ・ラマ法王が菩薩道の実践の法話をされている
動画に出会いました。
インドでの動画を見ながら、勉強できる今の時代って、素晴らしい!
家に居ながら、こんな叡智を学べるのですから!
2時間位のこの法話から、学んだことを分かりやすくまとめてシェアします。
『三十七の菩薩の実践』 ギャルセ・トクメ・サンポ作
37 practices of a Bodhisattva
一切の現象は、来ることも去ることもないとご覧になりながら
ただ有情救済のみに尽力されている最勝なるラマであり
守護者である世自在観音に 〔身・口・意〕三つの扉により、
常に敬意を持って帰依いたします
ナモー・ローケーシュヴァラーヤ(世自在観音に帰依いたします)
利益と幸せの源である無上正等覚者(完全なる仏陀)たちは
正法を成就されたことから生じた
それは、その実践〔方法〕を知ってそれに依存されたからである
〔そこで、〕勝利者の息子(菩薩)がなすべき修行について説明することにしよう
1. 有暇具足(ウカイグゾク)という得難い大きな船を得た今世で、
自分と他者を輪廻の海から解放するために、昼も夜も怠けることなく、
聞・思・修(モン・シ・シュウ)の実践をすること、
それが菩薩の実践である
有暇具足とは、教えを学べる恵まれた今生にいる私達の事を示しています。
(詳しくはこちらのサイトに載っています)
聞・思・修 = 教えを聞き、勉強し、瞑想をすること。
聞〜 教えー知恵を得る。論理学、認識論
(知識がないと物事をより深く掘り下げることができない)
思〜 考える。何度も正しいという確信を得られるまで考える。
(自分なりに分析すれば、他の人に説明できる。愚か者の段階を抜け出す)
修〜 時間をかけて、自分の心に理解を深めていくこと。
煩悩の底には無知がある。怒りの心の対策は、慈愛を持つこと。
考えが深められていれば、煩悩対策ができる。
まずは、教えを学び、研究し、瞑想しなさいということ。
2. 親しい人たちには水のごとく愛情を注ぎ、敵に対しては怒りを
火のように燃やす。正しい取捨の行いを忘れて無知の闇にいる人は、
〔悪い〕故郷を捨てること。それが菩薩の実践である
自分にとって、悪い環境から離れることが必要だということ。
3. 悪い故郷を捨てることにより、煩悩は次第に減っていく。
気を散漫にしなければ、善行が増えていく。
知性が清らかになれば、教えに対する確信が生じる。
静謐な場所に依存すること、それが菩薩の実践である
これも上記と同様に、悪い環境から離れることが必要だということ。
4. 長い間親しくした友と別れ、努力して得た財産を後に残し
「肉体」という宿から「心」という客が去っていく。
今生〔への執着〕を捨てること、それが菩薩の実践である
今生の事ばかりを追いかけていると、あっという間に今生が過ぎてしまいますよということ
5. その人といると三毒(貪・瞋・癡)が増大し、聞・思・修の行が衰退して、愛と慈悲がなくなっていく。
そのような悪い友を捨てること、それが菩薩の実践である
三毒(さんどく、梵: triviṣa, トリヴィシャ)とは、仏教において克服すべきものとされる最も根本的な三つの煩悩、すなわち貪・瞋・癡(とん・じん・ち)を指し、煩悩を毒に例えたものである。
貪
https://ja.wikipedia.org/wiki/三毒
貪欲(とんよく)ともいう。むさぼり(必要以上に)求める心。一般的な用語では「欲」・「ものおしみ」・「むさぼり」と表現する。
瞋
瞋恚(しんに[1])ともいう。怒りの心。「いかり」・「にくい」と表現する。
癡
愚癡(ぐち)ともいう。真理に対する無知の心。「おろか」と表現する。
良い師について学び、良い友といることが必要。
仏典に書かれていることに従い、悪い影響を受けてはならないということ。
6. その人に頼れば過失がなくなり、功徳が上弦の月のように満ちてくる。そのような聖なる善友(師)を自分の身体よりも慈しむこと、
それが菩薩の実践である
良い友人、師といることが必要だということ。
身口意で、自分が高まるようなアドバイスをしてくれる人を友人とし、師とすること。
善友=良い師、経典、体系に基づいた教えを身につけ、慈悲深い性格の人であり、良き教えを与えてくださる人
「学び、研究し、瞑想しなさい」というのがまずは最初に来るのは理解できましたが、
その次が「悪い環境、友人、師から、離れなさい」という内容が
連続で念押しされていることに驚きました。
菩薩というと慈悲慈愛というイメージがあり、悪人を許すことがまずは先かと
思っていましたが、それはこの「37の菩薩の実践」のずっと後になって記されています。
仏教はマインドの科学だと言われているところからも分かるように、
まずは影響されやすい人間の質について認め、善悪を「識別」し、
悪から離れることが菩薩道のスタートのようです。
ここはつい忘れがちだと思うので、我慢しないで離れましょう。
学ぶこと、悪から離れることが、菩薩道のスタートです。
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