先日、東京国立近代美術館で開催中の「ヒルマ・アフ・クリント展」に行ってきました。
2-3年前かな、ユーロスペースで映画「見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界」を見ていたので、もちろん彼女のことについては知っていたのですが、今回、実物を見ることができ、とても興味深い時間を過ごしました。
ヒルマさんは、心霊主義(人は肉体と霊魂からなり、肉体は消滅しても霊魂は存在し続け、現世へ働きかけるという思想)に影響された抽象芸術家として紹介されています。
もちろん優れた抽象画家であると思いますが、神智学、人智学を絵画表現、視覚言語によって表現するという探究者だということがひしひしと感じられ、私も秘教を探究している多くの人々のうちの一人として、とても面白く、楽しく、共感しました。
神智学、人智学、秘教学は少しずつ違っている面もあるとは思いますが、共通の部分も多く、それらは宇宙とこの世界の成り立ち、人類を始めとする生きとし生けるものを探究し、その進化の道筋を知り、それを生きるという、大きな気づきを得る素晴らしい機会だと思います。
それらの教えをどう捉え、どう伝えるのかを研究し、実際に美しい表現に結びつけたヒルマさんの仕事に、とても感動しました。
内容についてはいろいろな紹介や見解がされていますので、それを参照いただけるといいと思いますが、私が一番印象に残ったのは、代表的作品群「神殿のための絵画」の「10の最大物」という一番大きく、紹介されている一連の作品です。
この作品群では、人生の四つの段階(幼年期、青年期、成人期、老年期)が描かれているのですが、秘教で学んだ人間の進化のプロセスがヒルマさんの美しいモチーフと、動きで描かれ、人生のプロセスが視覚を通して理解できることが、とてもうれしかったです。
特に、老年期に入り、次に行くプロセスが素晴らしく、人生での様々な経験が、命の永遠の海に戻る前に、分解され(理解され)、原子となり、次の生の原資となる様を私は感じました。
それがまた、老年期終わりに差し掛かっている父母の様子をも想起させて、現実と秘教が繋がり、人間の進化プロセスへの理解が深まります。



これは秘教で伝えられている死のプロセスを学んだことがあるからこその理解かもしれません・・・詳しく知りたい方は「秘教治療」を読まれるといいと思います。
秘教を学んだからといって、それが即、名誉とか、資格や金銭面の収入に繋がるわけではありませんが、魂のための大いなる収入になることは間違いありません。
魂の進化のために私たちは生まれてきたのですから。
本来は、それが目的です。
神智学や人智学、秘教、東洋思想、西洋思想を始めとする様々な叡智は、魂の栄養、魂の食べ物なのです。
スピリチュアルな教えについては玉石混交で、指導者も含めて相性もあるので、識別力と直観力を持って選ばれるといいと思います。
違和感を感じたら退却すれば良いですし、その出会い自体も学びとなります。
また、私はコズミック・ロータス®︎占星学のために「秘教占星学」を現在研究中ですが、天空の十字架の概念で私がイメージしたものに近いものが作品群の中にあったので驚きました。
ヒルマさんと、また人類の意識深くに流れている潜在意識に、私も繋がっているという感覚〜ワンネスでしょうか、楽しさや大きな喜びを感じました。
真の教えというものは、人々にそういった喜びを与えるのだと思います。
